居心地のよいリビングに。間取り計画で大切な3つのポイント
新築住宅の間取りを考えるとき、最も重要な場所のひとつがリビングです。ご家族が一番長くすごす場所だからこそ、心地よく快適にすごせるような計画をしましょう。
今回はリビング設計で大切な3つのポイントをお伝えします。
ポイント1【眺望】窓から見える景色
リビングに窓をつくると、部屋が明るくなりますよね。
窓は大きければ大きいほどよい、多ければ多いほどよい…と考える方もいるかもしれませんが、必ずしもそれが心地よくすごせる空間とは限りません。
窓はやたらとつくるものではなく「何を見たいか、何を見たくないか」を考えて設置することが大切です。
《見たいものの例》
- お庭の植木や花
- 遠くの山々や海、緑豊かな公園
- きれいな星、抜けるような青空
《見たくないものの例》
- 隣家の外壁や窓
- 目の前の道路を歩く通行人
- ゴミ捨て場、駐車場
いくら日当たりがよくても「カーテンを開けたら隣の家の壁しか見えない」「嫌でも通行人が目に入ってくる」そんな空間だとあまり居心地がよいとはいえないのではないでしょうか。
もちろん同じものでも、人によって見たいと思うか、見たくないと思うかは違います。「駐車場は目に入らなくていい」という方もいれば、「お気に入りのマイカーを眺めて暮らすのが幸せ」という方もいますよね。
見たくないものは見えないように、見たいものは見えるように。リビングの向きや窓の大きさ・位置、外構のフェンスや植木などを設計していきます。
ポイント2【採光】光のとりいれ方
リビングの計画において、採光というのはとても大切なポイントです。なるべく太陽光をうまくとりいれて、明るく快適な住まいにしたいですよね。
ここで気をつけておきたいのが「夏と冬では太陽の高さが変わる」ということ。たとえば、青森県十和田市の太陽の高さは、夏で73°くらい、冬は27°くらいです。南側に庭などのスペースがあれば、太陽の低い冬場でも家の中にしっかりと光が入ってくるでしょう。しかし南側の建物が近ければ、冬に光を取り入れるのが難しくなります。「なるべく高い位置に窓を設置する」「吹き抜けから光を入れる」、もしくは「2階にリビングをつくる」などの工夫が必要です。
これと合わせて庇や軒などをうまくつくることで、夏の高い日差しは遮りつつ、冬には部屋の奥まで光が届くように。窓の断熱性も上げれば、光は取り入れつつも熱は逃さず、冬でもポカポカと暖かいリビングがつくれます。
ポイント3【配置】LDKのレイアウト
リビングを居心地良くするには、キッチンやダイニングとの動線も大切。LDKの配置は、敷地条件やどんな空間にしたいかによって決まってきます。
今回はいくつか代表的なレイアウトを見ていきましょう。
南北に長いI型リビング
リビング・ダイニング・キッチンと縦一列に配置したレイアウトです。コンパクトなつくりでも、視界が抜けて広く見えやすいのがメリット。キッチンからリビングに目が届きやすく、小さなお子さんのいるご家庭にもおすすめです。
窓の位置がリビングの奥側に限定されることが多いため、キッチンまわりは暗く感じがち。「南北に長くしすぎない」「吹き抜けなど高い窓を設ける」など明るさに気を使うと良いでしょう。
東西に長いI型リビング
リビング・ダイニング・キッチンが横一直線に並んでおり、南に面した部分が多いスタイルです。南北に長いI型リビングに比べて、キッチン側にも採光がとりやすくなります。
L型リビング
ダイニングを中心に、リビングとキッチンをL型に並べたレイアウトです。 光を2方向から取り入れられるので、LDK全体が明るくなりやすいのがメリット。風も通しやすいです。
独立型リビング
リビング側とダイニング・キッチン側を分離したスタイルです。 それぞれ独立した空間になるので、「食事をとる空間」「ソファでくつろぐ空間」を使い分けたい方におすすめです。
まとめ
今回ご紹介した「眺望・採光・配置」という3つのポイントは、もちろん住まいづくりのプロである設計者が考えます。しかし、施主様にも知っていただけると、ご自身の理想の住まいづくりについてもっと深く考えられるかと思います。 せっかく注文住宅を建てるのでしたら、ご家族にあわせた居心地の良い空間づくりをしていきましょう。